逆子の赤ちゃん
お腹の子どもが逆子と分かったのは、妊娠8か月に入った頃のことでした。1人目のお産でそれがどういうことなのか、何かしらの危険が伴うことなのかもまださっぱり分からないまま、ともかくお医者さまに勧められた「逆子体操」というのを毎日行いました。逆子体操をすることでお腹の子がくるっとひっくり返り、正常位置に戻ると言います。なかなかしんどい体勢を取らなければならないのですが、赤ちゃんがある程度大きくなってしまうと治らなくなるとも聞いたので、なんとかそれまでにと毎日頑張りました。

その傍ら、逆子のまま出産することのリスクなどを主人と一緒に調べました。お医者様と主人も一緒に調べてくれました。
お医者様がおっしゃるには、大きくなるとひっくり返りにくいというのは確かに言われているけれど、出産直前に逆子が治った例もあるからともかく毎日体操は欠かさないこと。そしてもし逆子のまま出産を迎えたら、帝王切開を勧めますと言われました。今は帝王切開の技術も進歩しており、逆子で自然分娩をするよりずっと安全だとおっしゃいます。

妊娠前から婦人科疾患でそちらの病院にお世話になり、先生をとても信頼していた私と夫は、この先生がそうおっしゃるならと、帝王切開の可能性も頭に置きながら毎日を過ごしていました。

ただそれを聞いた義母は納得してくれませんでした。昔々はお産婆さんがお腹の外から赤ちゃんを手でぐるっと回して正常な位置に戻していたものだと言い、そのようにしてくれるお産婆さんを探すように、帝王切開を勧めるような医者はやめるようにと毎日のように電話がかかり、そちらのほうが苦痛でした。あとで聞いたところ、病院にも電話してお医者様にも随分失礼なことを言っていたようです。

逆子は治らないまま臨月を迎え、陣痛が来て入院したところやはり帝王切開を行うことになりました。ところが午前中に入院、午後からの手術という予定になりそれを待っていたところ、急に破水したんです。先生の診察によると赤ちゃんが急激に下りて来てしまっているとのこと、これなら自然分娩で産んだほうがいいかもしれない…と先生が決断され、自然分娩を行うことになりました。逆子での自然分娩の危険性もいろいろ聞いていたので緊張しました。後でお聞きしたところ、先生にとっても大きな決断だったとのことです。難しいお産が始まるからと言って、病院もその日午後から休診になったそうです。

先に足から出てくるという難しい状態だったにもかかわらず、ゆっくり時間をかけて取り上げてくださり、無事元気な男の子と授かることができました。最近は逆子はほぼ帝王切開するそうなので、私は本当に稀な例だと思います。けれど先生には本当に感謝しています。
義母が先生に失礼な電話をしたことに私は怒っていましたが、無事な出産でそのことも吹っ飛びましたし、義母も結果的に自然分娩になったということで大満足。家庭内不和になることもなく助かりました。

(出産時24歳 さとさん)